休み時間になった。

「ねえ、松田先生すっごい美人じゃない!?」

「だよねだよね、あたしも思ったー!」

「松田先生、彼女いるのかなー?」

「Sっぽいところがもう…!」

教室は彼の話題で持ち切りだ。

彼の話題を聞き流しながらあたしは教室を後にした。

向かう先は、数学準備室。

窓から様子を覗いて見ると…いた!

「トーゴちゃん♪」

あたしはドアを開けた。

名前を呼ばれた彼――トーゴちゃんは読んでいた資料から顔をあげて、
「何だ、モモコか」
と、言った。