ちょっと何をするの?

会長はなれた手つきであたしの髪を結いあげると、
「できました」
と、言ってあたしを鏡の前へと連れて行った。

変なことしてないよね…?

鏡を覗き込んで見ると、
「わー…」

会長の手によってキレイにアレンジされたヘアースタイルに驚いた。

頭にはさっきあたしが見ていたかんざしがあった。

「あの、会長…」

会長に声をかけようとしたあたしに、
「すみません」

会長はレジに立っていた店員に声をかけていた。

「彼女が身につけているかんざしをお買いしたいのですが」

そう言って財布から5000円札を出した会長に、
「えっ!?

ちょっと待ってください!」

あたしは止めようとした。