そのセリフに、あたしの心臓がドキッと鳴った。

紅くなる顔を会長から隠すように、あたしはうつむいた。

そのセリフ…あたしの間違いじゃなかったら、プロポーズですよね?

そう思ったあたしだったけど、
「いや、そんな訳ないじゃん!」

「えっ?」

思ったことが口に出てしまったあたしは慌てて手で口をおおった。

「どうかなさいましたか?」

会長が心配そうに聞いてきたので、
「何でもないです…」

あたしは首を横に振って答えた。

会長はこんなヤツなんだよ。

こんなことを恥ずかしくもなく平気で言うヤツなんだよ。

そう言い聞かせて、自分の心臓を落ち着かせた。