そう思ったあたしの頭の中を呼んだのか、
「僕がここへきたのは小学校の修学旅行以来なんです」
と、会長が言った。

「えっ?」

あたしは聞き返した。

小学校の修学旅行以来…?

それって、
「京都へきたのは今回が2回目と言うことですか?」

そう言ったあたしに会長ははいとうなずいた。

意外だ。

「着物は向こうの方から送られてきますから、何回もここへ訪れているって言う訳じゃないんです」

会長は笑いながら返したのだった。

なるほど…わざわざ着物を取りに行くために時間とお金をかけて京都へ行く訳じゃないもんね。

皮肉混じりに思ったあたしに、
「いつかは桃さんと、2人で京都で暮らしたいですね」

会長が言った。