会長に手を繋がれたまま、あたしは呉服屋を後にした。

カラカラと履きなれない下駄を動かしながら石畳みのうえを歩く。

会長はなれていると言うようにあたしと手を繋ぎながら歩いていた。

普段から着物着てるから、下駄くらいなれてるよね。

「清水寺へ行ってみませんか?」

歩きながら会長が言った。

「あたしも行きたかったのでいいですよ」

会長の提案にあたしはうなずいた。

清水寺へ続く通り道には、いろいろなお店が並んでいた。

「わーっ、いっぱいありますねー」

チラチラとお店を見ながら言ったあたしに、
「帰りに何か買いましょうか?」

会長が返した。