会長と楽しそうに談笑をしていた女将さんが、
「おや、そちらの方は?」

あたしの存在に気づいた。

ありゃりゃ、気づかれたみたいだよ?

「僕のお嫁さんになる人です」

会長があたしを紹介した。

「は、はいっ?」

な、何ですって?

あたし、いつから会長のお嫁さんに格があがったんですか?

「へぇ、お嫁さん…どすか」

女将さんは呟くように言って、物珍しそうにあたしを見つめてきた。

な、な、な…何だ?

物珍しそうに見られたあたしは戸惑うことしかできない。

って言うか、早くここから出たい…。