「一体僕が何をしたって言うんですか?

この間の休日で、僕があなたに何をしたんですか?」

うーむ…。

ご丁寧に日づけまで覚えられてるよ…。

「別に、何も…」

あたしは目を伏せた。

会長に抱きしめられているせいで、心臓がドキドキとうるさく鳴っている。

「じゃあ、どうして僕を避けたんですか?」

あなたを好きになったなんて、言える訳がない。

「あたしが理由を言ったら離してくれるんですか?」

答える代わりに会長に質問した。

離してくれるんですかなんてえらそうなことを言ったけど、本当は離して欲しくないって思ってる。

だって、あたしを抱きしめてるこの腕が離れて欲しくないって思ってるんだから。