確かに、気づかれると大変なことになる。

どこに連れ込まれたのかよくわからないけど、誰かに見つかったら面倒だ。

「何のまねなんですか?」

声をひそめて会長に聞いたあたしに、
「ずーっと、あなた不足で寂しかったんです」

会長はそう言って、あたしを抱きしめた。

「あの、ちょっ…」

抵抗しようとするあたしの額にチュッと唇が落とされた。

「あなたに避けられて、逃げられるのはつらいんです」

会長は離したくないと言うように、あたしを抱きしめている腕を強くした。

「な…!?」

バレてるじゃん…。

まあ、委員長を始めとするクラスのみんなもわかってた訳だしなあ。

あからさまもいいところである。