チュッ…

……はい?

頬に感じた会長の唇の感触に、パチリと閉じていた目を開けた。

ガバッと躰を起こして会長を見る。

会長はあたしと目があったとたん、ニコッと笑った。

あの、デレ甘い笑みで。

「ああ、姫様がお目覚めになりました!」

妖精役のクラスメイトがセリフを言った。

お姫様と王子様のダンスシーンで、舞台は幕を閉じたのだった。

「みんな、お疲れー!」

舞台の裏に戻ると、委員長が労いの言葉をかけてくれた。

「あー、緊張したー」

「でもセリフが言えてよかったー」

クラスメイトたちの顔には達成感が出ていた。