「おー、会長にも好評だったみたいだねー♪」

委員長が笑いながら言った。

「委員長のメイクが上手だったからね!」

ニヤニヤ笑っている委員長にあたしはそう返すと、舞台に向かった。

物語は何のトラブルもなく、順調に進んだ。

そして、いよいよラスト。

魔女の呪いによって糸車の針に刺さって眠っているお姫様を王子様が救うシーン。

「おお、何と美しい姫君なんだ」

眠った演技をしているあたしに、王子様役の会長がセリフを言った。

委員長の顔が、あたしの顔に近づいてくる。

キスで、お姫様を起こすシーン。

あたしたちの場合は…フリ、なんですけどね。