「おや?」

会長があたしに気づいたと言うように声をあげた。

「何ですか?」

そう聞いたあたしに、
「かわいくなりましたね、桃さん」

会長はデレ甘い笑みを見せると、そう言った。

「なっ…!」

言われたあたしは自分の頬が熱くなったのを感じた。

まあ、委員長にメイクしてもらったからなんですけどね!

「でも素顔の方が僕は好きですけどね」

「はい?」

何ですって?

そう言いかけたあたしに会長はごまかすように笑った後、舞台へと向かったのだった。