手に取ったお弁当箱は机のうえに置かれた。

「またお弁当箱で殴られたくありませんからね」

会長はニコッと笑った。

「そもそもお弁当箱と言うものは殴るものではないでしょう」

「それはあたしもわかっています」

そう言った会長に、あたしは返した。

「ご理解していらっしゃるのですね」

会長は褒めるように言った。

「ですけど…」

あたしはそこまで言いかけて、
「はい?」

言いかけたあたしに会長は不思議そうな顔をした。