冒頭の魔女が呪いをかけるシーンを見ていても、あたしの魂は戻らなかった。

あたし、結構神頼みしましたよ?

プライド捨てましたよ?

なのに…何でこうなっただろうか…?

指定席のようにあたしの隣にいる会長にチラリと視線を向けた。

会長はクラスメイトの練習を見ていた。

チッ…クッ、ショー!

某銀行ドラマの最終回の、あの伝説のシーンを思い出した。

きっと…きっと、あの人もこんな屈辱的な思いを抱えて、土下座に臨んだんだ。

ドラマを見ている時は嫌なヤツだったと思ったけど、今はものすごくと言っていいほど同情している。

「どうかしました?」

会長と目があった。