「桃姉ちゃんも王子様役の男の子と…」

「ありえないから!」

真里をさえぎるように、あたしは言った。

「ふぇっ?」

真里がマヌケな声を出してあたしに視線を向けた。

「絶ッ対にありえないから!」

「…桃姉ちゃん、急にどうしたの?」

あたしの剣幕に怯えていると言うように、真里が呟くように聞く。

「王子様役の男の子って…ああ、もしかして女の子とか?」

「いや、男だから。

しかも会長。

真里の学年にも同じ名字の女の子がいると思う」

「えっ?

誰?」

真里は目をパチクリ。

知ってる…訳がないか。

少女マンガオタクなんだもん。