「劇やるの?

すごいねー」

真里は手をあわせた。

「そう?」

どこがすごいのよ。

主役はあたしで、相手役が会長なんだから。

むしろ最悪だ。

「で、主役は?

主人公のオーロラ姫の役は?」

真里が大きな目をキラキラさせて、グイッとあたしに向かって顔を接近させてきた。

「…あたし、ですけど?」

近づいてきた顔と距離を取りながらあたしは答えた。

「桃姉ちゃん!?

すごーい!

桃姉ちゃん、強運!」

「どこがよ!」

むしろ、悪運だよ!