応接室は寮を出て本館の方にあり一度外に出なければならない。
外に出ると室内との温度差もあるが、あまりの温度の低さにこの寒い空気が痛く感じた。
そんな中、外履に履き替えた優花は応接室の前まで来たがどうやらもう一留は来ているようだった。
そして応接室の前で何をするわけでもなくただ立っている一留は優花が来たのを確認すると手招きをした。
「お前何かやらかした…?」
「いやいやいやいや…やらかしたのは一留でしょ。」
「俺何もやってない。」
「私も何もやってないし。」
「じゃあ、何で呼び出されたんだよ。
お前先に入れ。」
「え?知らない。
てか一留が先に入ってよ。」
「やだ。」
「はっ⁉︎私もやだ。」
その時応接室の部屋の扉が開いた。
「お前達、部屋の外で騒いでないで早く入りなさい。お客様がお待ちかねだよ。」
「「お客様…?」」
ふいに思ってもみなかった状況に二人は首を傾げた。