その日の夕方。
全寮制であるこの学校の食堂には夕飯を食べるべく訓練生達が集まっていた。
日々過酷な訓練や休みなく勉強に精進している訓練生達にとって短いながらも夕飯の時間は貴重であり至福の時間である。
そんな食堂の一角にとある男女が向かいの席に座っている。
「一留は昨日の座学のテストは何点だった?」
神崎優花は牛丼を食べながら目の前に座る九条一留に話しかけた。
二人はこの学校を代表する優等生であり成績で注目されているということもあるが、
それ以外にも人目を引くこの見た目からして二人のに自然と視線が集まる。
まず優花は男女問わずに目を引く容姿に今まで残してきた功績からこの学校で彼女を知らない者はいない。
一留も一留で、この地味すぎて目立つその格好にそのずば抜けた成績。
人目をひくには十分であった。
そしてこの奇妙な組み合わせの二人は実は、幼稚園からの幼馴染である。
「テスト?
100点だった。ゆかは?」
「…ぇ……ぁ……っ教えない!」
「そっかぁ、俺より点数低かったんだね。負けず嫌いのゆかちゃん。」
「別に⁉︎負けず嫌いって訳じゃないし‼︎
てか、次は勝つし…!」
「ふぅん…出来るのかねぇ。ゆかちゃんに(笑)」
嫌味混じりの一留の発言に向きになり楯突く優花…
この二人の会話は周りに筒抜けであり食堂内でとても浮き立っていた。
「むかぁぁああ‼︎
怒った。まじ怒ったから!
てか、見返してやる!」
「そうかい、そうかいwwww」
ちなみに言うと、今回の筆記定期テストの結果は九条一留が満点で文句なしの一位、そして一位から二点低い点数で神崎優花が二位という結果だった。
テストの問題もやすやすとここまでの高得点が取れるほど優しいものではない。
卒業試験を間近に控えたこの時期、この断トツと言ってもいいほどの成績をもつ二人の配属は学校全体で注目を集めていた。