「…夏樹はしってんのか。こいつがいること」


ギロリと睨み付けられ、私はその迫力についたじらってしまう。


ていうかなんなの?さっきから夏樹夏樹って。


みんなその“夏樹”って人のことを気にしてるみたいな…変な感じ。


「あ、あのぉ、樹?」


私よりもずっとずっと身長が大きい樹を見上げる。


うわぁー、春より大きい。180はあるんじゃないかな?


「あのね、」


「うるせぇ。名前を呼ぶな」


拒絶するような言葉に、私は少し首を傾げた。