「…違う。親父の再婚相手の娘だって。」


ボソリと後ろから声がした。


振り向いてみると、来斗が二冊目の本を手に、ソファーに座っていた。


一冊目はソファーの目の前にあるテーブルの上に置かれている。


来斗はペラリと本のページをめくりながら、口を開いた。


「…親父、再婚するんだって」


ナイス!来斗ナイス!


若干(いや、めっさ)その本の内容が気になるけど、今はもうそれはいい。


来斗による説明で、今の状況を把握できたのか、樹は納得出来ないとでもいうように春を睨み付けた。


「聞いてねぇよ」


「うん。俺たちもついさっき聞いたばっか。親父がいい忘れてたんだってさ」