「あー…樹と夏樹はどこ行ったっけ?」


気まずい空気を壊すように春が口を開いた。


「まったくー。春、聞いてなかったのぉ?樹はお出かけ中で夏樹はお仕事だよぉ」


翼がんーと大きく背伸びをして春のおでこをこつんと軽く小突く。


…最も二人は身長がだいぶかけ離れているため、そこらへんは春が少し屈んだ。

何故わざわざ小突かれるために屈むのか疑問に思ったけど、それもすぐに分かった。


「人の話はちゃんと聞かないと、めっ!だよっぷんぷん」


翼は膨らませていたほっぺを更に膨らませると、ふんっと春から顔を背けた。


きゅーんっっ