「どうしたんだい?じゃないよ。親父さぁ、再婚した?なんかその再婚相手のお母さんの娘って子が来てるんだけど」


男の子はちらりと私に目を向けた。


私も男の子…春君の方を向いてたから、バチリと目が合った。


私は視線をささっと反らした。


…やばい。あからさますぎたかな?


『あれ?言ってなかったっけ?父さん再婚したんだよ』


「聞いてねぇよ」


『ごめん、てへぺろ☆』


陽気なお父さんらしき人の声が聞こえてきた。


「たく、まぁ、親父の自己中は今に始まったことじゃないけどね。夏樹たちにも伝えとくわ」


男の子は早口で言い終えると、かなり一方的に電話を切り、ケータイをパタンと閉じた。