「うーん。再婚?君のお母さんってことはうちの親父と…?」


男の子は少し考えこむような顔をして、はっとしたような顔をした。


そして、ズボンのポケットからスマホを取り出すと、長い指で器用に番号を押していき、それを耳に当てた。


ぷるるるるという呼び出し音が、隣にいる私にもよく聞こえた。


やがて、何度目かの呼び出し音がなり、相手の人の声が聞こえた。


『あぁ、春?どうしたんだい?』


電話の相手は声が低い。多分男の人だろう。


…は、この私の隣にいる人のことを“春”って呼んだ。


ふーん。春って言うんだぁ。…ってバカバカバカ!


私何盗み聞きしてんの!


ダメだと分かりつつも…


つい…ね?分かる?


好奇心がね(笑)