あの店で、マコトを目で追うことが、小さな楽しみになって。



いつか、声をかけてみよう、そう思いながら、タイミングがつかめなかった。



なんで、こんなに惹かれるんだろう。



そう思ったある日、不意に、記憶と重なった。



父親に肩車をしてもらった夕日と、夕焼けの光に照らされた、店のテラス。



かつて俺が大好きだった、若い父親の、笑顔と。

友達に笑いかけるマコトの、笑顔。



全然違うはずなのに、まったく同じ笑い方、だった。



父親の浮気相手のその後、を調べたら、かえって難しかったのかもしれない。


マコトの素性を探偵社に調べさせたら、呆気なくわかった。


マコトの本当の父親が、誰なのか。



そして幼い頃のマコトが、俺の親父にどんな虐待を受けていたのかも。