「…何か、ご用ですかな?」



参拝に来るような時間でもない。



訝しげに住職さんに尋ねられて、俺は笑顔を作って、近付いた。


「すみません、僕が、マコト君を引き止めてしまって。陸と、言います」



名前を告げたとき。

住職さんの表情が、硬くなった。


わずかに目を見開く。


「失礼だが、君は誠とはどういう」



「今日、友達になりました。…マコトくんには、本当のことは何も話してません」