どうしても、このままマコトと気まずくなりたくない。
だからそっと、俺はマコトが走り去ったあとを、追った。
マコトと実際に話して、触れ合って。
嫌いになんか、なれない。
ずっと、そばにいたい。
そう思った。
ずっと繋がっていられる方法を、俺は持っている。
初めて、父親が浮気していたことを、幸運だったとさえ、思える。
白門寺の境内に、住職は立っていた。
しっかりした体格の背中が、だがどこか悲しそうに見えて、俺は立ち止まった。
住職さん、マコトと喧嘩したんだろうか。
マコトは、父親のことを、あまり良くは思っていないようだった。
住職さんの背中が、重いため息に揺れる。
そうして振り返って、俺に気づいた。