「陸さん」



マコトが、店に入って来てすぐに、俺を見つけて駆け寄ってくる。



嬉しそうな、笑顔。


こんな笑顔を向けられて、好きにならないはずがない。



もともと、セックスの相手は女でも男でも構わない質だ。



そうなると、子供ができたとか言い出さない分、男の方が気が楽だった。



お互い、遊びだと割りきれる人間しか、相手にしてこなかった。



だけど。



マコトを見ていると、そんな自分が、なんだか汚ないような気さえ、してしまう。



というより、マコトの前では、いい人間でいたい、と思う。


こんな思いは、初めてだ。