「あの…ボク、オトコ、ですよ?」



なんだか、自分でもバカなことを言っている。



陸さんが、頷く。



「わかってるよ。だから、ごめん、って」



陸さんの言葉も、ちょっと意味不明だけど。



なんだか、陸さんの方が不安そうな顔をしているから、ボクは、笑ってみせた。


「謝ることないですよ。ボクは、大丈夫」



外国なら、キスなんて挨拶だし。
陸さんがいいなら、構わない。



陸さんが、もう一度顔を近付けてくる。


ボクはつられて、目を閉じた。



…陸さんの舌、あったかい。



舌と舌を擦り合わせているだけで、ドキドキする。



こんな、地元の通りで、誰か通ったら、どうしよう。



そんな、後ろめたくなるくらい、キモチイイ。