「いいんです。楽しかったから」



ホントに、父さんに怒られたとしても、ボクはちっとも後悔していない。


だって、陸さんと知り合えた。


二人きりで話ができた。


あのとき、店の前に戻ってよかった、と思っている。


もしかして仏様の導きだったんじゃないか、って、感謝したいくらいに。



だから、父さんにちょっと怒られるくらい、何でもない。



「俺も一緒に、お父さんに謝るよ」



「え?いいですよ、そんな」



「引き止めたのは俺なんだからさ。俺からちゃんと話すよ。そうしたら、きっと、わかってくれると思う」