「どうしたの?」 「陸さんって、ボクのこと、よく知ってるなあ、って思って」 「あ、ごめん、気持ち悪いよな、普通」 陸さんの言葉に、ボクは首を横に振った。 「そんなことない。嬉しいです。陸さんが、ボクのこと見てくれていたんだ、って思うと」 ボクのことを、全然知らなかった人が、気にかけてくれていた。 ましてそれが陸さんだったら。 顔が火照るくらい、嬉しい。