「……勝った、の?」


だからその代わりに、ボクはいちばん聞きたいことを、尋ねた。
じっと、目を凝らすと、なんとか、周りに色がついてくる。


あ。
ボク、倒れてたんだ。


吉田が、抱え起こしてくれてる。


「ごめんね、吉田」


横に座って、ボクに酸素のスプレーを、林くんが吸わせてくれてる。
ボクは起き上って、林くんから酸素のスプレーを受け取った。


「大丈夫か?無理するなよ、マコト」
「もう、大丈夫」


それで、結局、順位はどうだったんだろう。

吉田と林くんを見る。
ふたりは、顔を見合わせてから、ボクに向かって、笑いかけた。
そろって、サムズアップ。