大丈夫。

空を見上げて、深呼吸する。

大きく息を入れると、まだ、左胸は痛いけど。
でも、大丈夫。

だってこんなに、楽しい。


第二走者から、第三走者に、バトンが渡る。

その時。


「あ……っ」


思わず、周りから声が出た。
ボクのクラスの子が、バトンを、取り落とした。

すぐに拾って走ったけど、その間に3位に順位が落ちている。
必死に、追いかけて、走っている。

応援しているクラスメイト達に、ちょっと、がっかりしたような表情が浮かぶ。


だめだよ。

あんなに頑張って、走っているのに。
今、応援してあげなくちゃ。


「頑張れっ!」