え?

ボク達は、おじさんを振り返った。


「親父」
「またトラックに乗る、って言ってんじゃねぇぞ。けど、そうだな。事務方でも、会社に戻って、若いやつらを指導するのも、必要かもしんねぇな」


言って、おじさんが、ボクに笑いかけてくれる。


「俺が仕事を辞めることで、坊主まで困らせてるんじゃ、意地じゃなくてただのわがままだからな。将も、今日のリレーで優勝したら、またトラックの運転手に戻ってくれ、って言うしな」


……え?
ボクが、林くんを見ると、林くんは照れくさそうにうつむいた。


「俺も、おまえとおんなじだよ。午後のリレーに願かけてた。……だからさ、悔しいけど、おまえの気持ちも、わかっちまうんだ」
「林くん……」
「おまえの身体が、まだ回復してないってことも、わかってるけどな」