林くんが、ボクのこと、じっと、見てる。
そうして、ちょっと俯いて、汗に湿った髪をかきあげた。
「ま、おまえがそう言うなら、いいけどさ。けどやっぱ、秘密兵器には、ならないな」
「林くん、さっきもそれ言ってたけど」
「だっておまえ、唯一他のクラスから実力分析されていないのがおまえだぜ。どれくらい走れるのか、走れないのか。おまえが出るかも、ってだけで、他のチームのけん制になる」
そっか。
だから林くん、ボクに走れって言ったんだ。
「すごいや、林くん。そんなにいろいろ作戦考えてるんだ」
「こんなの作戦じゃねぇよ。けど、おまえ予想以上にきつそうだったからさ。あれで、多分みんな、おまえが出てくることは心配しなくていい、ってわかっちまったろうな」
「そうなんだ。ごめんね」
「別にマコトは悪くないだろ。それより、そろそろクラスに戻らないと、時間だぜ」
練習を終えてください、って、校内放送がかかっている。
吉田に促されて、ボク達は自分のチームの場所に戻って行った。
そうして、ちょっと俯いて、汗に湿った髪をかきあげた。
「ま、おまえがそう言うなら、いいけどさ。けどやっぱ、秘密兵器には、ならないな」
「林くん、さっきもそれ言ってたけど」
「だっておまえ、唯一他のクラスから実力分析されていないのがおまえだぜ。どれくらい走れるのか、走れないのか。おまえが出るかも、ってだけで、他のチームのけん制になる」
そっか。
だから林くん、ボクに走れって言ったんだ。
「すごいや、林くん。そんなにいろいろ作戦考えてるんだ」
「こんなの作戦じゃねぇよ。けど、おまえ予想以上にきつそうだったからさ。あれで、多分みんな、おまえが出てくることは心配しなくていい、ってわかっちまったろうな」
「そうなんだ。ごめんね」
「別にマコトは悪くないだろ。それより、そろそろクラスに戻らないと、時間だぜ」
練習を終えてください、って、校内放送がかかっている。
吉田に促されて、ボク達は自分のチームの場所に戻って行った。