まだ、身体は少し震えてるけど。
息も、ちょっと苦しいけど。

でもきっと、ちゃんと、走れるようになる。
そんな気がする。


「だけど、やっぱり無理みたいだな」


林くんの声に、ボクは吉田に支えられたまま、振り返った。
林くんは、がっかりしたような顔をしている。


「林くん……」
「あんなゆっくりで、それでも半周しか走れないんだろ。一応、他に補欠考えた方がいいな」
「だから最初から、俺が反対しただろ。マコトは、走れるような身体じゃないんだからな」
「そんなこと、ないよ」


ボクは、吉田を軽く押しのけた。
ふらついたけど、なんとか、立っていられる。