そして、体育祭当日。
空は、少し夏が戻ってきたかと思うほど、いい天気だった。


「マコト」

つま先を地面にトントン、とぶつけて運動靴を履きながら、吉田が手を振る。

「おはよう、吉田」
「早いじゃんか、マコト」
「ボクだって、補欠だけど一応リレーのメンバーだからね」


今日が、最後の朝錬。
もちろん、ボクが走るわけじゃないけど、でもせめて練習には、参加したい。
見学しているだけだけど。

クラス対抗のリレーは、どのクラスも一番力を入れてくる競技だ。
よっぽど点差が開かない限り、逆転可能な点数がとれるから。