やっぱり、林くんに頼んでも、無理なんだ。
諦めなくちゃ。

もう。
陸さんとは、二度と一緒にいられないのかなぁ。


「俺は帰るぜ」
「あ、ボクも降りるよ」
「きっと吉田のやつが、イライラしながら待ってるぜ」

そんなこと、ないと思う。
今日はボクが飾り付けの仕上げで遅くなるから、先に帰っているはず。
階段を降りながら、ボクはそう思ったけど。
なんとなく、林くんには言い損なった。