「林くん。……ボク、林くんのうちに、行ったらダメかなぁ」
「うちに?」
「いやな思い、させちゃうかもだけど。ボク、おじさんに謝りたい。お礼も、言いたいんだ。あのね、おじさんあの時、ボクのことかばってくれたんだ。ボクのこと、携帯とかで写されないように、隠してくれて。死ぬんじゃねぇぞ、って言ってくれた。なのにボク、お礼も、ゴメンナサイも言えてないんだ。だから」
「……じゃあ、親父に伝えとくよ。暇だから、明日体育祭見にくるみたいだけどさ」

そっか。
それじゃ、なおさら林くんだって走りたいよね。
リレー、優勝したいよね。

……やっぱり、ボクが出て、足を引っ張っちゃダメなんだ。