ボク、ただの自分勝手なわがまま、言ってる、よね?
なんだか、うまく、伝えられない。

「おまえな、自分が変わりたいからって、クラスを巻き込んでいいって思っているわけ?」

呆れたように、林くんが言う。

「……ごめんね」

よく、ないよね。
ボク、自分のことばっかり考えてた。
みんな、体育祭に向けて頑張っているのに。

「……で、勝てる自信はあるのかよ」
「え?」
「走らせてやる、って言ってるわけじゃねぇぞ。もし走ったとして、おまえ、優勝できる自信はあんのかよ。もうずいぶん走ってないんだろ?」
「うん。……でも」

一回走ったら、次に走れるかわかんないけど。
でも。

「一回なら……走れるよ」