「ボク……林くんなら、ボクが走ることに賛成してくれるかもって、思ってた」

どうしよう。
林くんが協力してくれなかったら、やっぱり、走れないのかな。

陸さんに、言ったのに。
体育祭に来てくださいって。

もちろん、陸さんが来てくれるはずないんだけど。
でも、陸さんじゃなくて、ボクの問題だ。

一回決めたことを途中でやめるようなこと、したくない。
今回だけは。

ふてくされたようにボクを見てた林くんが、
「ああもうっ!」
って言って、髪の毛をガシガシと片手で搔き乱した。

「なんで、そんなに走りたいんだよ」