マコトはいったい、何を言っているんだろう。
俺たちは二度と、会ったりしない。
ここで、別れるのに。


「陸さん」
「もうよせよ、マコト。こんな奴、おまえがそこまで好きになる価値なんて、ないだろ」
「まこちゃん」


吉田くんと、堀井さんの、マコトを気遣う声。
このふたりがいれば、マコトは絶対、独りぼっちになんかならない。


俺は、振り返りたくなる自分を抑えて、走って公園を出た。
見上げると、泣きたくなるような、明るい月。


俺は、いつまでも、月を見上げていた。