会いたくなかった。

だけど、とても、会いたかった。

目の前に、マコトが、いる。


「どうしたんだよ、美知子。泣いたのか?」


吉田くんに抱きついた堀井さんに、吉田くんが、驚いたような顔をしている。


「ううん」


首を横に振って、笑おうと努力している、堀井さん。

ほんとうに、いい子だね。

マコトの友達は、ほんとに優しい子ばかりだ。


「そりゃ、泣きもするよね。君、まだその子にキスもしてなかったんだ?」


マコトを無視して、俺は、吉田くんに声をかけた。

吉田くんが、俺を、睨む。

少し驚いたような表情のまま。