電灯が少なくて、薄暗い公園の横だから、急いだんだろう。

そう思っていた。


「美知子!」


ブランコを囲む柵に座っていた吉田くんが、立ち上がるまで。


「洋平くん……っ」


堀井さんが、吉田くんに駆け寄る。

俺は、その場に立ち止まった。

ブランコに座って、俯いていたマコトが、顔を上げる。


「陸……さん」


そういう、ことか。

いまさら、俺は堀井さんが訪ねてきた意味を、知った。

どうにかして、俺とマコトを会わせたい。

そう思って、たぶん吉田くんと手分けして、俺とマコトをここに連れてきたんだ。