だから、堀井さんがマコトを好きなことは、吉田くんにとっては自然なことなんだろう。


「吉田くんは、多分、堀井さんのことが大切で、ずっと我慢しているんだと、思う」


彼が、堀井さんのことを本当に大切にしていることは、見ていてよくわかった。

……その大切な存在を、俺が、壊した。


「……もう、帰ります。夜分遅くに、すみませんでした」


小さく会釈をして、堀井さんが玄関を出る。

その後をついて行っても、もう、堀井さんは逃げようとしない。


ほんとうに、強い人だ。