とっさに、俺は店に背を向けて早足で遠ざかった。


マコト。


この思いも、マコトの面影も、忘れてしまえる日が来るまで。

ずっと会わずにいようと、決めていたのに。

たった一目会っただけで、ちっとも忘れられないと、思い知る。

久しぶりに会ったマコトは、最後に会った時より、顔色はいいようだった。

それでも、入院していたころより、さらに痩せてしまっていた。


また、何か無理してはいないだろうか。

毎日のようにくれる、マコトからのメール。

学校のこと、通学のこと、体育祭のこと。

まっすぐで優しいマコトのメールは、どれも読んでいて、気持ちがあったかくなるような言葉で。

読むたびに、マコトのところまで走って行きたくなる。