「まこちゃん。明日から、大丈夫?」


みっちゃんの、家の前。


振り返って、みっちゃんが、尋ねる。


ボクは、笑って、頷く。


「うん。大丈夫」


だって、吉田は、みっちゃんと付き合うんだし。


例えば、ボクが女の子を好きになったとしても、やっぱり、相手に好きな人がいたら、それを応援するし、告白はしないと思う。


ボクが恋した人と、ボクの大切な友だちが付き合ったら。


ちょっと切ないけど、でも、とても幸せなことだと思う。


だから、大丈夫。


「じゃあ、また明日ね。みっちゃん」


「うん。……ありがとう、まこちゃん」



ボクは、夜空を見上げた。


きれいな、明るい、月。


お父さんが帰ってくる前に、早く、戻らなくちゃ。