そう、だよね。

林くんの言う通りだ。

ボクだって、走れるものなら走りたいけど。

でも、学校に来るだけで、あんなに息が苦しくなっちゃうのに、200mなんて走れない。


「おい、林」


あ。

吉田が、ボクの肩に腕を回しながら、林くんに声をかける。


「なんだよ」

「マコトだって、好きで怪我したわけじゃねぇんだよ。それなのに、そんな言い方はないんじゃないか?」

「吉田、いいんだ。林くんの言う通りだし。ボク、ほんとにリレーの時くらいしか、役に立たないのに。……ごめんね?林くん」


ボクが軽く頭を下げると。

林くんは、ボクと吉田を軽く睨んでから、踵を返して自分の席に戻って行った。