早目に家を出たつもりだったけど、思ったより時間がかかって。

休まなくちゃいけないことが、何回もあって。

教室についたときは、ほとんどチャイムが鳴る寸前だった。

ざわざわした教室で、吉田が、元気にみんなに挨拶している。

ボクは、声を出すのも息が切れそうで、すぐに席に着いた。


明日から、もっと早く家を出なくちゃ。

そんなに早く、吉田を付き合わせちゃ、悪いよね。

明日からは、ひとりで来ようかな。


「なんだ、けっこう元気そうじゃんか」


上から、ちょっと呆れたような声が降ってきて、ボクは顔を上げた。