しまった。

何でこんなことまで、俺は話しているんだろう。

酔いが、回っているんだろうか。

他人に話して、楽になっていい問題じゃない。

オサムと恵美が、驚いたように目を見交わす。


「なんだか、祐介じゃないみたい。
触れることも怖いくらい、その人のこと、好きなんだ」

「喋り過ぎた。忘れてくれ」

「僕にも、恵美ちゃんにもできなかったこと、できる子なんだね。
いつか、会ってみたいな」


俺は席を立ち、カウンターに一万円札を置いて、振り返らずに店を出た。


いつか。

マコトと、穏やかな気持ちで会えるようになったら。

その時は、ここに連れてくることもできるだろう。


だけど。

そんな日が、本当に来るだろうか。

この気持ちが、収まる時が、来るんだろうか。





マコトに、会いたい。