今なら、抑えていられる。

だけど、マコトと会えば、その次が欲しくなる。

手に入らなければ、壊したくなる。

マコトを抱きしめて病院の窓から飛び降りようとした、あのときのように。


俺はきっと、マコトのことを、心も、身体も、めちゃくちゃに傷つけてしまうだろう。


俺にも、親父と同じ血が、流れているんだ。

大切なものを、壊してしまう、衝動。




俺は、またグラスを干した。

強く、グラスをカウンターに置く。


「祐介?」


「……悪い、今日は、帰る」