ガシャーン。

大きい音がして、ボクは身をすくめた。
スタンドの上に、ちょうど管が入っていたところをぶつけてしまって、痛みで息が詰まる。

「マコトっ」

あっという間にドアが開いて、陸さんが飛び込んできた。
陸さんのお父さんと、看護師さんまでやってくる。

「どうしたんだ、マコト!」

ごめんなさい。
こんなつもりじゃ、なかったのに。

謝りたいけど、痛くて、声が出ない。
息が切れて、苦しくて。
足だけじゃなくて、手まで震えてくる。

「しっかりしろよ、苦しいのか?ちゃんと、つらい時には看護師さん呼べって言っただろう?」

違うんだ。
ボクは、首を横に振った。

苦しかったわけじゃないんだ。
どうしても、心配で、待っていられなかった。
内緒で、ちょっとだけのつもりだったのに。

結局、陸さんに迷惑かけちゃった。